365日坊主

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10円玉を使うとき

『10円玉を使うとき』


17歳。男。高校生。
「俺」は反抗期に反抗するのがかっこいいと思っていた。
親の言う事には疑問ももたずこの歳までやってきた。
遅れてきた中2病。いわば高2病だ。

たとえば目の前にある十円玉。
 これはここに来るまでに、何万人の手に渡り、
   何千キロの距離を動いたのだろう。

造幣局で生まれて検査を通過して、銀行へ旅した。
ほとんど動かないときもあれば、たくさん動いたときもあった。
いろんな人に手渡った。そしていろんな場所へ行った。
コンクリに落とされたこともあったろう。
子供にタバスコをかけられたこともあった。
水の中にも入った。火の中も経験した。

ぼくの体が胴でできていることを知っている人はたくさんいた。
  でも体重が4.5gだってことを知っている人はほんの数人だった。
    直径が23.5mmってことを知ってる人は数えるほどしかいなかった。

ATMという機械の中にいる時間が長かった。
  ぼくはレジスターと呼ばれる機械の中が好きだった。
でもその機械の中にいられる時間はいつも短かった。

テレビというものにも出たことがある。
  お父さんと呼ばれるその動物はぼくを持ち上げて、積み上げた。
ぼくの上にのっかっている無数の10円玉が重かったので、体をゆらして崩してみた。
  お父さんと称される動物は落胆していた。
10円玉を積み上げる番組を作るなんて、変な動物である。

その番組はほかにも「お父さんが、一円玉を吹いて、グラスの中に入れる」ことや
   「お父さんが、ホッピングで、コースをクリアする」などへんなことをしていた。
「お父さんが、『エリーゼのために』を一音も間違えることなく、ピアノで演奏」というのは無謀であった。

そしてある日……
  ぼくは少年の手に渡った。


そんなことを10円玉に思いを馳せながら俺は自販機の中へ放り込んだ。


  1. 2006/12/05(火) 18:00:00
  2. | Comment:8

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2006年12月14日設置