教育2.0を見てきました。
ようすを少し紹介しますね。
まず、入学日について。
4月生まれから3月生まれまで12ヶ月の幅がありますので
生徒は6歳の誕生日が来たら自由に登校してよいことになっています。
登校時間は自由です。
朝に来ようが夜に来ようがかまいません。
ただ「週に3日以上は休むのが望ましい」というガイドラインはあるようです。
学年・クラスといった概念がないので番号で呼ばれることもありません。
生徒は学校に来て好きなフロアで過ごすのです。
学校にいる大人は、泊まり込みで手入れ調整を担う「マスター」
教えるのが目的の「ティーチャー」はいません。
生徒から求められたときだけ助言する「アドバイザー」が数人。
体調管理や保健相談の「ドクター」もいます。
生徒は学校に来てもいいし、来なくてもいい。
帰ってもいいし、帰らなくてもいい。
生徒が寝泊まりするのもかまいません。
シャワー室やバスタブも完備してあります。
キッチンもあるので友達同士でクッキングしてもいいのです。
学校のとなりには図書館があり、生徒はいくらでも本を借りることが出来ます。
もちろん生徒の転校も自由です。
自分に合う学校を探す旅に出る生徒もいます。
学校の設備投資はマスターに一任されています。
学校を出る時期は決まっていて18歳の誕生日に卒業です。卒業式こそありませんが、みんなから祝福を存分に受けます。
外部の人を自由に呼んでも構いません。
予算内であれば大学の教授を招くのもよいでしょう。
生徒の希望により宇宙飛行士を呼んで話を聞くのも面白いかもしれません。
すべてはマスターと生徒で話し合って予算の使い方を決めてください。
ピアノを買ってもいいし、最新式のパソコンを買うのも自由です。
地域住民から寄贈してもらったり、生徒が持ち込みで備品を増やすのも賢い方法といえるでしょう。
生徒は学校にお金を払いません。自分の投資にしっかりと計画することができるのです。
しかも、ある場合よっては生徒にお金が支給されることもあるのです。
それは交通費がかかる場合や、功績があった場合などです。
お金を払うのではなく、むしろもらえるというのは日本では考えにくいかもしれませんね。
学校によっては「カウンセラー」を置いたり、人事の自由もマスターには保障されます。
つまりマスターの個性がダイレクトに学校に反映されるのです。
それにより様々な学校が存在するのです。
自分に合う学校を探すために、放浪の旅に出る生徒がいるのも頷けます。
そういえば、学校にいる大人を言い忘れていました。
学校の警備を担当する「ファーザー」です。
彼らは日本で言う警察官のような役職です。
でも、制服を身にまとった怖そうな人たちではありません。
ジーパンにセーターというアットホームな服装で、笑顔がとても似合います。
不審者が学校に入ってきたら体を張って子供たちを守ります。
普段は、校舎に破損がないか見回ったり、用務をこなしています。
子供たちが「一緒にブランコ作ろうよ!」と誘ってくるならば、ファーザーは子供たちと一緒に木を切ったりして力仕事の手伝いをします。
学校には生徒数に応じた予算が毎年2回入ってきます。
なのでマスターは年に2回、国に生徒数を報告しなければなりません。
予算の使い道は、前述したとおり生徒との話し合いで決められます。
日本では「職員会議」という生徒が入り込めないスペースで勝手に決めてしまうので、ちょっと想像しにくいですね。
この辺も教育2.0の理念が生きていえるといえるでしょう。
学校を取り仕切るマスターも生徒と平等なのです。
さらにマスターには「校長」という名前は似合いません。
なぜならば「子供たちに最高のサービスを提供する」という理念の下に行動しているからです。
ただ事務をこなすのではなく、その自由もしっかりと保障されています。
学校をどのように運営するのかも一任されているのです。
予算の使い方によって学校ごとに個性が出てきます。
音楽機材やライブハウスなどを敷地内に構えた学校もあります。
体育館やスポーツ機材に予算を潤沢に使った学校も存在します。
予算をどのように使うかがマスターの腕の見せ所です。
ここには最高の自由が許されていて、予算を100%使ってなにをしようが自由です。
それによりマスターの信念がそのまま学校になります。
敷地や校舎を売り払って、インターネット上に学校を構えたマスターもいます。
予算をいっぱいに使って校舎をアスレチックのような忍者屋敷ともつかぬアバンギャルドな雰囲気を作り出したマスターもいます。
マスターというのはとても責任の重い仕事です。
そのかわり自由度は最高にあります。
責任には自由が伴います。
ただし、無茶苦茶にやると生徒は離れていきます。
なぜならば転校が自由だから。
駄目な学校からは生徒が離れていきます。
するとその学校は潰れます。
必然的に、悪い学校はなくなって、良い学校だけが残るシステムなのです。
こういう点ではマスターというのは「校長」ではなく「社長」に近い職業といえるでしょう。
次に学校の様子を紹介します。
校舎内を歩き回っていると6歳から18歳までの生徒が入り混じっています。
グループでなにかをしていたり、個人でなにかをやっている生徒もいます。
ペットのトリミングをする仕事に興味のある生徒のために、マスターがトリミングの先生を呼んで体験授業しているところもありました。
12歳の男の子が、6人ぐらいの6,7歳の子供たちと輪になって授業をしている光景も見られました。
逆に、15歳の子が18歳の子に教えている場面も。
彼らには年齢など「どうでもいいこと」なのでしょうね。
■教育2.0に興味を持ったなら
教育2.0と教育1.0の違いをまとめてみた 教育1.0から教育2.0へ
- 2007/01/13(土) 20:59:35
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