
魔法にかけられて
という映画を見ましたちょうど「文脈」とか「歴史」というものがキーワードになっていたので、どんぴしゃの映画でした。
よきタイミングでよき映画にたどり着けるものです。
物語は、ファンタジーの世界にいた主人公が、魔法使いに「永遠の幸せなど存在しない世界」に飛ばされてしまう。
そこは現代のニューヨーク。というお話。
構造的にも面白かったし、名作というか歴史というものは引用するしか価値が無いことがはっきりと分かった感も素敵。
織り交ぜられた名作のオマージュをみていると、監督がディズニーの過去作品をすべて見たんだろうなぁと感じさせる。
新しいことをやるには歴史を知り、歴史にのっかり、堂々とあぐらをかくことを恐れない。
怖いものなどなにもないのだ。
受け継がれてきた文脈は、すべてぼくらの味方をしてくれる。
流れと説明、言い訳だったなら。流れが勝つ。流れを優先させて良い。そういうものも受け取った。
ディズニー渾身の玉作、しかとDVDで見届けた。
ファンタジーが現実に流れ込み、影響し、現実もまたファンタジーに影響を与える。
とても切ないです。主人公が資本主義に染まっていく過程がなんとも。
「映画館、美術館、に行ってデートをするの」
ぼくらが純粋な気持ちで行われる行為は、だいたい資本主義の上にある。
草の上を走ったり、星を見ることよりも、映画館や美術館がデート候補として出現するこの世界を。
そしてこのファンタジーは、数百人の努力で成り立っているんだよ。HAHAHA!
と、メイキングがDVDの特典で付いていて、監督が語っているのも構造として好き。
このやろう。
未公開シーンもついていて、「なぜそのシーンがカットされたか」について語っていて興味深かった。
物語で破綻することよりも、流れをせき止めることのほうが悪である。という思想がわかって面白い。
けっこう影響されてしまう。
- 2010/03/09(火) 09:09:09
-
| Comment:0